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「逆光だときれいに写らないから」と、太陽を背にした“順光”ばかりで写真を撮影していませんか? 今回の越カメラマンのウェブ写真講座は逆光がテーマです。壁紙プレゼント、写真コンテスト情報もお見逃しなく!

夏も本番! 真夏は日射しが強く、写真を撮るのも億劫になる季節です。それを逆手にとって、強い日射しを活かし、しかも逆光で夏らしい風景も撮ってみようというのが今回のお話しです。初秋になっても強い日差しは続きます。新たな世界に挑戦してみましょう。

※逆光写真の撮り方はバックナンバーのVol.35も参照してください。
http://www.smart-acs.com/magazine/14031503/season001.php

写真を撮る際に大切なのが光の状態です。大きく分ければ「順光」と「逆光」があり、どちらで写真を撮るかは悩みどころです。
「順光」は見た目の通り、目の前の風景がそのままキレイな写真(写真A)になります。ですが、平凡といえば平凡。誰が撮っても同じような写真になりがち。
一方の「逆光」はそうはいきません。見た目通りに写らないし、撮ったからと言ってそのままキレイな写真にはなりません。
では、どうしたらキレイな逆光写真が撮れるのか。写真Bは、輝きの中にシルエットになった船を入れることでポイントにしています。もしも陰になっているところに船があっても浮かび上がっては来ないでしょう。
このように逆光の場合は、プラスαの工夫が必要となります。

写真A

写真B

「順光」「逆光」それぞれで、同じ被写体を狙ってみるとその違いがよく分かります。写真C写真Dは同じチョウを順光と逆光で撮影したカットです。
「順光」で捉えた写真Cは、チョウの羽の色や形、そして周囲の花の様子まで同じ明るさで描き出されています。それに対し「逆光」で撮影した写真Dは、チョウの羽の色は太陽に透けて分からず、その周囲に影になった部分もできています。
見方を変えると、全体にフラットで平均的で平凡な印象の写真Cに対し、写真Dは画面の明るさに強弱があり、光に透けた葉の緑が夏らしさを演出、より印象的な写真に仕上がっています。
後で思い返したときに、どちらの写真が印象に残るでしょうか…。これが「順光」と「逆光」の差なのです。

写真C

写真D

写真E写真Fとも、丘陵の先に海が見える夏らしい風景です。順光で撮影した写真Eに対し、逆光で撮影したのが写真Fです。どちらがキレイでしょうか。
写真E(順光)を選んだ方は、見た目の美しさを求めています。美しい風景があるからそこを撮るといった方ではないでしょうか。
一方の写真F(逆光)を選んだ方は、よりドラマティックなものを求めています。見た目の印象ではなく自分なりの絵を描いている方ではないでしょうか。
どちらが良い悪いではないのですが、今時のカメラがあれば、写真Eのような風景は誰でも簡単に撮れてしまいます。ですが、写真Fとなるとそうはいきません。見た目通りとはいかないので、美しく見せるためにどこを切り取り露出はどうするのかを一考する必要があります。
ここでは、手前の生い茂るススキの輝き、丘の陰影、輝く海面を配し、風景を立体的に見せています。

写真E

写真F

逆光の写真を狙うときに、注意しておきたいのが、“ゴースト・フレア”です。レンズの中を光が通る際にいろいろと反射を起こし、写真に変な色づきが発生する現象です。
せっかく構図はよくても画面内にゴーストが出てしまう場合(写真G)があります。そこで、注意したいのが太陽の入れ方です。
一つは、写真Hのように太陽を画面から外してフレーミングを考えること。もう一つは、太陽を木の幹や葉の陰に隠すなどして、ゴースト・フレアを起きにくくすることが考えられます。

写真G

写真H

美しい逆光写真を撮るにはどんなことをポイントに狙うとよいのでしょうか。私が意識をしている3つのポイントについて説明したいと思います。

①シルエットを生かす(写真I
逆光写真で一番大切なのが、陰になる部分です。この陰の形が印象的で、明るい背景に浮かび上がれば、美しいシルエット写真にすることができます。このときは、シルエットを強調したいので概ねマイナス気味の露出補正が必要となります。

写真I
②逆光の輝きを背景にする(写真J
2番目の狙い方は、逆光のキラメキを背景として、その中に自分の狙いたい被写体を浮かび上がらせる方法です。①のシルエットと近い方法ですが、露出の基準はメインの被写体となるため、概してプラスの露出補正が必要となります。ポートレート写真を撮るときも、基本スタイルとしてはこの方法になります。

写真J
③太陽の光そのものを作画に活かす(写真K
もう一つの狙い方が、太陽など光自体を作画に活かす方法です。ただし、この場合はゴーストやフレアが起こりやすくなるので、それも活かす必要が出てきます。そして、露出についてはケースバイケースで、場面によってプラス補正もあればマイナス補正もあります。写真Kの場合は、夏の森の緑を強調したかったので、プラスに補正しています。

写真K

説明してきたように、逆光写真をキレイに撮るには、それなりの創意工夫が必要となります。そんな逆光写真でも見た目通りに撮れる場所があります。それが朝日・夕日の名所と呼ばれる場所です(しかも、夏に限らず一年を通じて…)。
写真Lは、広島と愛媛を結ぶしまなみ海道沿いにある亀老山展望台から望む瀬戸内海の夕日です。上記の狙い方だと③になります。
このときのポイントは太陽の明るさで、太陽が見た目通りに写る明るさであることが必要です。日が高く昇りはじめたり、日没までまだ時間が早くて、太陽が明るすぎてはダメ。日の出直後、日没間際がベストで、霧や雲で多少霞んでくれるとチャンスは長くなります。そんな明るさに恵まれれば、きっと素敵な逆光写真が撮れると思います。

写真L


見た目に美しいところを撮る順光写真に対し、ちょっと工夫が必要な逆光写真ですが、ぜひドライブルートでトライしてもらえればと思います。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!



●海と日本PROJECT
http://uminohi.jp/

日本財団、総合海洋政策本部、国土交通省などのオールジャパンで推進するプロジェクトが「海と日本PROJECT」です。
日本の暮らしを支え、心の安らぎやわくわく感さえ抱かせてくれる海。その海を未来へ引き継ぐためのプロジェクトは、「海を学ぼう」「海をキレイにしよう」「海を味わおう」「海を体験しよう」「海を表現しよう」といった5本の柱で展開しています。
ホームページ内のエリア別海情報では、各エリアごとのイベントや、地図や市町村発信のメッセージが紹介されています。
「逆光で撮影してみたい」と思うような美しい海の情報や、海のニュースも満載。
海は写真撮影意欲が高まる場所。「どこにでかけてみようか」の参考にしてください。

下関市 御船手海岸 景観
http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a15700/16kaigan/kaiganphotocon.html

関西より東にお住まいの方には応募しにくいコンテストかもしれませんが、旅行ででかけた時などにぜひ、挑戦してください。
山口県には全国に誇れる美しい海があります。テーマは「やまぐちのキレイな海岸」です。
山口県内の海岸での清掃活動や、美しい景色を撮影(撮影期間は2017年9月1日~2018年8月31日)して応募ください。
応募部門は「環境保全活動部門」と「景観部門」です。
応募期間 :
2018年9月7日(金)
応募形態 :
ホームページより応募フォームにアクセスして、必要事項を入力して応募してください。 デジタルカメラまたはスマートフォンなどで撮影したJPEG形式で10MB以内の画像データで応募。
賞品など :
最優秀賞/県産農水産物1万円相当 1点 優秀賞/県産農水産物7000円相当 2点 入選/県産農水産物
(両部門共通) 5000円相当 5点
入選作品 :
山口県が作成する啓発ポスターなどに採用する場合があります。
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
暑い時期に涼しげな写真を! 撮影場所は本栖湖と久慈川上流です。首都圏から近い場所にも“水の流れ”によって空気が冷やされる気持ちいい場所があります。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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