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今回は、生きもの写真の撮り方を解説したいと思います。
ドライブの途中で自然の中で暮らす生きものに出会ったり、動物園や水族館などで生きものと触れ合う機会があると思います。そのときに、生きものたちをより“生き生き”と撮るにはどうしたらよいのでしょうか?
今回は、高速シャッター+高速連写を使って生きものたちを撮ってみようというお話です。

野鳥たちや生物は、じっとしていて動きの少ないときもあれば、大きく動く瞬間もあります。生きものを撮影するのであれば、やはり動いている瞬間を狙いたいものです。
写真A写真Bはいずれも同じユリカモメを撮った写真ですが、欄干にただ留まっているだけの写真Aより、大空を羽ばたいている写真Bのほうが生き生きと見えるはずです。
ですが、動いている生きものを撮るには、いくつかの注意点があります。今回はそのあたりを解説していきます。

写真A

写真B

注意点を解説する前に、もう一つ写真を紹介します。
写真C写真Dは、花に給餌しに来たモンシロチョウを狙った写真です。
蜜を吸っているところを撮ったもの(写真C)は動きがほとんどなく、言ってみれば図鑑に載っているような写真です。
これに対し、花に飛びつくタイミングをとらえたもの(写真D)は、チョウが生き生きと描かれています。この違いは明らかに動いているかどうかです。
先の写真A写真Cはいずれも「生きものの紹介」には適していますが、作品らしさを求めるならば動きが必要になります。ほ乳類のように表情やちょっとした仕草に特徴があればまだしも、とくに昆虫のように表情のない生きものであればなおさらです。

写真C

写真D

動いている生きものを撮ろうとすると、その動きがかなり速いため、ただ撮っていたのではぶれてしまいます。
写真E写真Fは、求愛するカワトンボの仲間を狙った写真です。1/125秒でハグロトンボを撮った写真Eはオスが完全にぶれてしまっていますが、1/800秒でアオハダトンボを捉えた写真Fはオスの動きを止めることができました。ほんの少しだけ羽根がぶれたことで、躍動感も描き出しています。
生きものの種類にもよりますが、飛んでいる虫や鳥であれば、概ね1/1000秒以上のスピードが必要となります。ちなみに前出の写真Bは1/1250秒で、写真Dは1/2000秒で撮影しています。

写真E

写真F

次に問題となるのがピント合わせです。高速で動いているわけですから、ファインダーを見ながら手動でピント合わせをするのは至難の業です。
カメラのAF機能を使い、そのときにピント合わせのモードをAF-CやコンティニュアスAF(キヤノンはAIサーボ)といったモードに設定し、動きを追うようにカメラを動かします。
写真Gは、日本モンキーセンターのボリビアリスザルをカメラまかせのAFでピントを合わせ撮影したものです。
ピントを合わせる点のことをAFポイントと言いますが、最初はカメラまかせにするか、中央の1点にして使うといいでしょう。中央はピントが合いやすいのに対し、周辺部はピントが合わせずらく、背景のほうにピントが合ってしまったり(写真H)、生きものの動きを追えずにピントを外してしまいます。
慣れてきてから試しにフレーミングに合わせて自分でポイントを動かしてみるくらいがベターです。
写真G=1/1000秒)

写真G

写真H

おおかたの場合「AF」で十分なのですが、少し上級のテクニックとしてあらかじめピントを合わせておいて撮影する方法を紹介します。
一つは「置きピン」と呼ばれる方法です。あらかじめ、目標となる場所にピントを合わせておいて、生きものがやって来たタイミングでシャッターを切る方法です。生きものの動き方がわかっている場合に有効です。
写真Iは水族館のイルカのショーですが、ジャンプするバーにあらかじめピントを合わせておいて、イルカがバーを越えるタイミングでシャッターを切ってます。



もう一つは「ノーファインダー」と呼ばれる方法で、フレーミングも含めファインダーを覗かず撮影します。ピントもあらかじめどのくらいの距離で撮影するかをピントリングで設定。想定している距離に生きものが来たときにシャッターを切ります。動きが不規則かつ超高速で動く昆虫などの撮影に向いています。
写真Jはその例ですが、ピントをあらかじめ20センチに設定し、飛んでいるクマバチをカメラ(正確には撮像センサーマーク※参照写真)から20センチの辺りに来たときに連写で撮影しています。
この方法の場合、とにかく何度も試すことが大切で、何回か撮影して、その中でピントの合っているカットを選ぶといった感じです。なお撮影には、広角レンズ、超広角レンズが向いています。

※参照写真

いずれの方法もシャッターボタンでピント合わせをしていると、“シャッターを切るタイミングでピントを合わせてしまう”ため、ピントにズレが生じます。そのため、シャッターボタンでのピント合わせは解除しておく(ピント合わせは、ほかのボタンに割り当てる)必要があります。
写真I=1/2000秒、写真J=1/640秒)

写真I

写真J

もう一つ大切なことが、高速で連写することです。
生きものの動きはかなり高速なため、1カットの撮影ではベストなタイミングをモノにはできません(人間の目は遅れて反応するので)。そのために、ある程度タイミングを予測してシャッターを切り高速連写します。
ところで、これまでの一眼レフでは、最高でも1秒間に11~12コマくらいしか連写できませんでしたが、ミラーレスカメラは連写速度がアップ。また動画機能を生かして超高速連写モードを搭載するカメラも登場してきています(詳細は説明が長くなるので割愛します)。
写真Kは、パナソニックのカメラに搭載されている「4Kフォト」という機能で撮影したモンシロチョウの超高速連写です。この一連の写真の3カット目が写真Dです。
この機能では、秒30コマで撮影した連続画像の内の1カットを切り出す(その分、画素数は落ちますが、それでも800万画素、A3程度のプリントなら十分に耐えうる画質です)ことが可能です。

写真K

最後にいくつかサンプルを紹介したいと思います。
写真Lは草原を飛び回るイメージで草むらで飛翔するモンキチョウを捉えてみました。シャッターは1/1000秒です。
写真Mは水族館のホッキョクグマがプールにダイブする瞬間を1/400秒で狙ってみました。
そして、最後(写真N)はにゃんこ。花を撮っていたら近くで突然じゃれだしたので、1/1250秒で高速連写したうちの1カットです。

写真L

写真M

写真N


今回解説したように、高速シャッター+高速連写で生きものを狙うと、動きの少ないときと比べ、格段に生き生きとした生きもの写真を狙うことができます。写真でしか見ることのできない一瞬が撮れることもあります。ドライブで出会った生きものでぜひとも試してみてください。 
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



●環境省「ラムサール条約と条約湿地」http://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/2-3.html

ラムサール条約は1971年にイランのラムサールにて採択された条約です。正式名称は「とくに水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。わかりやすく簡単にいえば、水鳥が棲息する土地であり、そこを国際的に保護しようという条約です。
日本においても北海道のサロベツ原野やクッチャロ湖、福島・新潟・群馬の尾瀬、栃木の奥日光の湿原から琵琶湖、沖縄の与那覇湾まで約50カ所の条約湿地があります。
Webで近所のラムサール条約湿地を調べ、ぜひ撮影旅行にでかけてみてください。きっと、たくさんの野鳥や水鳥をファインダーに捕らえることができるでしょう。
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https://loconavi.jp/contests/42

東京都心部の中心地ともいえる“千代田区”のさくら、自然、皇居、丸の内、秋葉原、神田などの各地区の風景、文化史跡、グルメなど、「魅力を発見」をテーマにした写真コンテストです。
おでかけしやすい東京、そして出張などでも来る機会の多い東京・千代田区の魅力を探し出して、撮影してください。
スマートフォンでの撮影、スナップ写真の応募もOKです。

●募集締切 :
前期2019年4月30日(火)、後期2019年8月31日(土)
●応募方法 :
ホームページにログインしたうえで、「コンテストへの投稿はこちら」をクリックし、手順に従って応募してください。
●応募規定 :
アマチュアであること、自作品の未発表写真であることなど。
●賞  品
グランプリ(1名)10万円
準グランプリ(2名)3万円
千代田区長賞など多数
●発  表
2019年12月中旬に千代田区役所内区民ホールなどで展示を予定。

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編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
海外のスーパーマーケットの野菜売り場の陳列は、日本の場合と少々異なり、「下の野菜は誰が取るの?」と、少々ユーモラスでもあります。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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